(2018.04.13) 画像の色味と実際使用される色味の違いについて
こんにちは。CozmicWorldの林です。
本日はお客様のQ&Aにてよくお問い合わせいただいている「画像で見た時の生地と、実際見た時の生地の色味が違う」という件についていくつかのエピソードを紹介させていただきたいと思います。
以下の内容と共に「イメージの色味と生地の色味が異なる場合の理由」に関する説明文も一緒にご参考頂けると嬉しいです。
それでは、事例を一緒に見てみましょう。
事例1)
① 原作のイメージ ②完成後に撮った写真(暗い場所) ③ 生地の写真(明るい場所)
上記の写真はどれも携帯電話のカメラで撮った写真です。
①と②の写真を比べてみると、②の生地の色味が暗く、濃く見えます。
①と③の写真を比べてみると、③の生地の色味が明るく、薄く見えます。
実際の商品の感じは②より③が近かったです。
これと似ている例として、以下の商品も実物より画像の方の色味がより濃く感じられるケースでした。
https://cozmicworld.com/product/ca7257
事例2)
今回の事例はファークライ5のジョセフ・シードの衣装です。
どんなに優れているカメラでも、人の肉眼で見る時と全く同じように撮影することはできないため、衣装の撮影の際には撮影者の意図がカメラの設定に反映されることになります。この衣装は「こんな感じが出るように撮影しよう」というふうに。カメラには設定できる条件が数多くあるため、全ての条件で撮影することは出来ません。条件別で撮影した写真を見てみましょう。
上記の写真は補正なく、カメラのシャッタースピードと絞り値のみを変更して撮影した写真です。
(カメラCANON 200D、レンズEF-S 35mm、ISO100)
前の方の写真を見ると、生地が明るすぎる、という反応が予想される一方、
後ろの方の写真を見ると、生地が暗すぎる、という反応が予想されます。
どんな写真が一番実物に近いのでしょうか。
私が思うには、上記の写真16枚とも全てが実物に近いと思います。(-_-)
最初この衣装を受注した時、「光によって染みのような感じを与えよう」と、会議の際にイメージが決まったため、原作より明るい目の生地を選んで塗色作業を行いました。
結局、数回の塗色を経て意図通りに完成できました。
上記のようなケースが多いため、どちらのイメージが実際のものに一番近いか、という質問には答え辛く、周辺の状況によって異なる、としか答えることができません。
このような場合、生地によって違う感じに場合もございます。
例えば、 ベロア/ベルベット、エナメルなど、光を反射する生地の場合は撮影者の意図より写真に明るく写す場合もございます。
https://cozmicworld.com/product/ca7241
上記の通り、様々な状況と、撮影者の意図が加わって撮影(カメラの設定-ISO、露出、絞り値、シャッターのスピードなど)される上に、その結果物をご覧になるお客様もまた主観的であることなど、考慮すべき状況が多すぎます。
一番いいのは直接目で見ることです。
そのため、弊社にて生地を選ぶ時は常に生地を直接目で見てから選んでおります。
(これが注文を受けてから生地の購入にのみ1~2週間ほどかかる理由です。購入が難しい生地の場合は期間がより長くかかる場合もございます)
そのため、お客様の立場においても、制作者側の立場においても、オーダーメイドはしやすい作業ではございません。しかし、お客様にこのような点をご理解いただいた上でご注文頂くことが出来たら、よりお客様の満足度を高めることが出来るのではないかと思います。
以上、長文をお読み頂きありがとうございました。
林